啓発ビジュアル

Q本新幹線が実現することで、どんな未来・どんな希望が待っていると感じるか。山形にどんな還元がされていくことが予想されるか

奥山氏 かつて北前船が京都から様式や文化を運び、逆に山形から自然の恵みや人々の素朴な手仕事が京都へ運ばれた。奥羽・羽越新幹線はまさに現代における北前船であり、人の物理的な移動を助けるだけでなく、首都圏の文化や生活様式にリアルタイムに触れられる手段であり、山形の豊かな自然の恵みを多くの人々に届ける流通でもある。瞬時に届く新しい文化が山形の未来を豊かにし、山形の自然がもたらす鮮度の高い産物が日本中を豊かにする。互いに大いなる価値が還元されると考えている。

Qどのような想い、どのような意図があったか

奥山氏 奥羽・羽越新幹線の開通は、沿線の山形や秋田だけでなく、それが既存の新幹線や主要な交通とつながることで東京と東日本をつなぐ大きな交通網ができる。それにより綺羅星のような東北の文化や伝統が繋がり、それらが行き交い、それにより日本だけでなく地球規模での大きな価値の伝搬と創造が可能になればとの想いを込めてデザインした。

Q啓発活動について感じること。啓発活動を行って市民から理解を得ることの重要性についてや、もっとこんなことを行った方がいいなどのアイデアはありますか?

奥山氏 この活動は目の前にある交通ルートの確立だけではなく、これからの未来を担う山形の若者に「山形と日本」「山形と世界」、それを通して「山形と自分」「世界と自分」を考えてもらう具体的なきっかけとなればと思う。それこそが、長期的な視野では未来の山形の繁栄へとつながる。 新たな世代へは静止画だけでなく動画による訴求がより効果的と考える。次のフェーズではぜひムービーの制作を行えればと考えている。

 
 

奥山 清行(Kiyoyuki Ken OKUYAMA)

工業デザイナー / KEN OKUYAMA DESIGN 代表

 

1959年 山形市生まれ。 ゼネラルモーターズ社(米)チーフデザイナー、ポルシェ社(独)シニアデザイナー、ピニンファリーナ社(伊)デザインディレクター、アートセンターカレッジオブデザイン(米)工業デザイン学部長を歴任。 フェラーリ・エンツォ、 マセラティ・クアトロポルテなどの自動車やドゥカティなどのオートバイ、鉄道、船舶、建築、ロボット、テーマパーク等数多くのデザインを手がける。 2007年よりKEN OKUYAMA DESIGN 代表 として、山形・東京・ロサンゼルスを拠点に、企業コンサルティング、トランスイート四季島などのJR東日本旅客鉄道、ヤンマー全製品のデザイン、 KEN OKUYAMAブランド製品の開発から販売までを行う。 2013年ヤンマーホールディングス株式会社取締役に就任。 2015年 ミラノ国際博覧会 日本館基本計画策定委員会委員、有田焼創業400年事業プロデューサー、ものづくり日本大賞審査委員、環境未来都市構想有識者検討会委員、 JR東日本まちづくり懇談会委員を務める。 滋慶学園COMグループ名誉学校長、金沢美術工芸大学名誉客員教授、アートセンターカレッジオブデザイン客員教授、山形大学工学部客員教授。 『フェラーリと鉄瓶』(PHP出版社)、『伝統の逆襲』(祥伝社)、『人生を決めた15分 創造の1/10000』(KEN OKUYAMA DESIGN)など著作や、講演活動も行う。

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