奥羽・羽越新幹線関係Q&A

目次

◆基本事項

問1フル規格新幹線とはどのようなものか。
問2県は、なぜ奥羽・羽越新幹線実現を目指すのか。
問3奥羽・羽越新幹線の財源はどうなるのか。
問4福島~米沢間トンネルのフル規格断面による整備と奥羽新幹線の関係は。
問5フル規格新幹線はどのような効果をもたらすのか。

◆課題

問6奥羽・羽越新幹線のルートや停車駅はどうなるのか。
問7新幹線開業に伴う並行在来線とは何か。

◆県の取組み

問8県では、奥羽・羽越新幹線の実現に向けて、どのような取組みを行っているのか。
問9機運醸成の取組みとはどのようなものか。
問10県は在来線の高速化にも力を入れるべきではないか。

基本事項

問1フル規格新幹線とはどのようなものか。

<フル規格新幹線とは>

全国の新幹線整備について定めている全国新幹線鉄道整備法(以下「全幹法」といいます。)では、新幹線鉄道は、その主たる区間を列車が時速200km以上の高速度で走行できる幹線鉄道と定義されています。

現在、全幹法制定以前に計画・建設された東海道新幹線、山陽新幹線をはじめ、昭和47年に全幹法の基本計画路線に定められた北海道新幹線、東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、九州新幹線の合計7つの路線で新幹線が運行・建設されています。

このほか、昭和48年に全幹法の基本計画路線に定められた新幹線があり、奥羽新幹線(福島~山形~秋田)と羽越新幹線(富山~新潟~秋田)の2つの新幹線も基本計画に定められ、全幹法の手続きに基づいて、今後整備が進められていくものです。

<フル規格新幹線の整備効果>

フル規格新幹線には、踏切を設けない高架・立体交差や直線的なルートなど、構造・規格上の特性があります。

こうした特性により、一度に大量の人員を安定的に短時間で運ぶことができることから、産業や観光などでさまざまな地域間の交流を促進させ、地域に大きな活力をもたらす重要な社会基盤となっています。

全国の新幹線沿線には、政令指定都市(人口70万人以上の都市)が多く存在しており、こうしたことからも、フル規格新幹線が沿線地域にもたらす波及効果の大きさがうかがえます【図1】。

【図1】全国の新幹線鉄道網の現状

また、大雨や大雪といった自然災害による遅れや運休も非常に少なく、安定輸送性にも優れています【図2】。

【図2】フル規格新幹線と山形新幹線の走行100万キロあたり輸送障害(運休・遅延等)件数

人口減少が本格化する我が国において、東京圏への過度の集中を是正し、産業や人材を地方に呼び込み地方創生を実現するため、また、東日本大震災を契機とした太平洋側と日本海側とのリダンダンシー機能の確保など、大規模災害等に備えた国土全体の強靭化の観点からも、全国におけるフル規格新幹線ネットワーク整備の必要性は高まってきています。

山形新幹線は新幹線?
問2県は、なぜ奥羽・羽越新幹線実現を目指すのか。

〈全幹法に基づく全国の新幹線整備の状況〉

現在、運行が始まっている北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線をはじめとした昭和47年に基本計画に決定された路線については、全線の完成に一定のめどがつきつつあります【図1参照】

こうした中、奥羽・羽越新幹線を含め、昭和48年に基本計画に決定された10路線(中央リニアを除く)についても、次の新幹線整備を見据えて、その実現を目指す取組みもはじまっています。

〈本県幹線鉄道の課題〉

山形新幹線は、他の新幹線路線の開業による時間優位性の低下や、雨・雪などの気象変化による輸送障害の多発が課題となっています。【図3、図4】

羽越本線についても、庄内地域と首都圏間の移動に平均で4時間以上を要するほか、強風をはじめとした気象変化による輸送障害が多く発生しており、速達性や安定性が課題となっています。

《山形新幹線の事例【図3、図4】》

【図3】山形新幹線の課題<速達性> 【図4】山形新幹線の課題<定時性・安定性> フル規格新幹線と山形新幹線の走行100万キロあたり輸送障害(運休・遅延等)件数

〈東日本大震災で再認識された奥羽・羽越新幹線の重要性〉

平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、太平洋側の鉄道施設では甚大な被害を受けました。

被害の少なかった日本海側の幹線鉄道は、太平洋側の幹線鉄道に代わり、東北地域と首都圏や西日本との旅客移動、物流を担うリダンダンシー(代替)機能を発揮しました。

東日本大震災を契機として、大規模災害に備えた強靭な国土づくりの重要性が再認識されております。我が国においては、これからも大規模な地震等の災害に十分備えていくことが求められており、国土強靭化の基盤となる奥羽・羽越新幹線を早期に実現していく必要があります。

問3奥羽・羽越新幹線の財源はどうなるのか。

〈整備新幹線の整備・運営方式〉

新幹線は、国土交通省所管の独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構が整備・保有し、営業主体であるJRに対して施設を貸し付ける上下分離方式※により整備・運営されています。
※施設(下)の整備・保有の主体と、運行(上)の主体を分ける方式

〈整備財源について〉

整備の財源については、JRからの貸付料収入を充てた残りの部分が公費負担となり、国と地元が2対1で負担します。

地元負担については、さらに、地方交付税による軽減措置が講じられています【図5】。

【図5】新幹線の整備方式と建設財源
問4福島〜米沢間トンネルのフル規格断面による整備と奥羽新幹線の関係は。

福島〜米沢間は、運休・遅延が多発しており、同区間の安全性や安定輸送の確保が喫緊の課題となっています。

こうした中、JR東日本では同区間の抜本的な防災対策に係る調査が行われ、全長約23kmの短絡トンネルを整備することで、雨・雪等による輸送障害件数の低減など安定輸送の確立、地滑り・雪崩等の災害リスクの完封といった防災面の強化のほか、10分強の時間短縮効果が図られるとの調査結果が示されました【図6】。

このトンネル整備は、多額の事業費、15年という長い工事期間を要する大規模な事業です。仮に、奥羽新幹線の整備時に、このスケールのトンネルをもう一度掘り直すこととなれば、その費用や工事期間が2重にかかるため、大変非効率となります。

また、将来の奥羽新幹線整備における最大の難所となるこの区間において、トンネルを整備していくことは、奥羽新幹線実現に向けての大きな足掛かりになるものであり、この機会にトンネルをあらかじめ整備して、奥羽新幹線の整備時に活用していけば大変有効となります。

問5フル規格新幹線はどのような効果をもたらすのか。

フル規格新幹線が整備された沿線の地域では、観光やビジネスをはじめ、交流人口の拡大や産業の活性化など、幅広い効果がもたらされています。

《事例1》
◆等時間到達圏の拡大(北陸〈長野〉新幹線 —平成9年10月高崎〜長野間開業—)

長野周辺の沿線地域から3時間で東京に行ける人口が、44万人から192万人へと4倍以上に増加するなど、より広域に交流圏が拡大。

【図7】等時間到達圏の拡大(各市町村から東京駅までの所要時間の変化)

《事例2》
◆交流人口の拡大(九州新幹線 —平成23年3月鹿児島中央〜博多間全線開業—)

平成23年の全線開業時には、中国地方〜鹿児島県間の「鉄道を利用して移動する旅客数」は、開業前の6倍以上となり、さらに航空と合わせた旅客数も2倍以上となるなど、これまで交流が少なかった地域間において大幅に増加。

【図8】中国地方から鹿児島県への交通機関別の旅客流動数の推移

《事例3》
◆観光交流の拡大(東北新幹線 —平成14年12月盛岡〜八戸間開業—)

新幹線開業に伴い、八戸三社大祭の入込客数が大幅に増加。

【図9】八戸三社祭の入込数の変化

《事例4》
◆民間投資の増加(北陸新幹線 —平成27年3月長野〜金沢間開業—)

新幹線開業を契機として、北陸地域における新たな企業進出や本社機能の一部移転が加速。

《新幹線開業に伴う企業進出等の例》

〇企業進出
製薬メーカー(本社:神奈川県)
平成27年7月より、富山県富山市の新工場(建設費:約18億円)で生産・出荷がスタート。
医療機器・航空機部品メーカー(本社:東京都)
平成26年6月、石川県白山市に新工場(建設費:約22億円)建設。
〇本社機能(一部)移転
建設機械製造メーカー(本社:東京都)
平成23年に石川県小松市に総合研修施設を整備し、本社機能の一部(社員の人材育成機能)を移転。
ファスナー・住宅建材メーカー(本社:東京都)
平成26年度末までに本社管理部門等の一部を富山県黒部市に移転し、約230人が異動。

出典:財務省北陸財務局ホームページ資料より県作成

課題

問6奥羽・羽越新幹線のルートや停車駅はどうなるのか。

全幹法に基づく基本計画では、起点、経由地、終点のみが定められています。

具体的なルートや停車駅については、将来、全幹法に基づき、整備計画への格上げ、工事実施計画の策定、工事着工と手続きが進む中で、政府主導で議論が進められ決定されていくこととなります。

この過程においては、地域における停車駅の必要性や活用方策など、地域の考えや意見などについてもしっかりと政府に伝えていくことが重要になると考えております。

奥羽・羽越新幹線についても、こうした法律に基づく手続きの中で、しかるべき時期に、政府に対してしっかりと地元の考えを伝えていけるよう、地域にとってよりふさわしいルートや停車駅のあり方等について、地元としても議論を深めていく必要があると考えております。

問7新幹線開業に伴う並行在来線とは何か。

並行在来線とは、フル規格新幹線のルートに並行する形で運行する在来線鉄道のことです。

新幹線に加えて並行在来線を経営することは営業主体であるJRにとって過重な負担となる場合があるため、沿線自治体の同意を得た上で、新幹線開業時は経営分離されます。

並行在来線は、奥羽・羽越新幹線の実現に向けた重要な課題となりますので、新幹線整備に係る政府の動きに応じて、地域の皆様のご意見なども十分に伺いながら、並行在来線の意義や役割、その持続的な運行の方策なども含め、対応の検討を行っていく必要があると考えております。

県の取組み

問8県では、奥羽・羽越新幹線の実現に向けて、どのような取組みを行っているのか。

奥羽・羽越新幹線を実現させるためには、県民の皆様一人ひとりにその意義や必要性を理解していただき、地元の熱意とともに、政府にしっかりと伝えていくことが重要です。

〈推進組織を核とした取組み〉

平成28年5月に設立した県、県内市町村、経済界等が一体となった「オール山形」の推進組織と県内4地域の推進組織が連携して、県民の皆様の機運醸成、理解促進のための広報・啓発活動に取り組んでいるほか、県・地域合同による政府等への要望活動などに取り組んでいます。

〈関係県と連携した取組み〉

政府に対する要望・提案をより説得力のある効果的なものにしていくとともに、沿線地域の一層の連携強化を図るため、両新幹線沿線の関係県とも連携して、合同でプロジェクトチームを設置し、両新幹線の整備効果や実現に向けた課題等の調査・検討を進めています。

  • R1.7.31
    県同盟 令和元年度促進大会
  • R1.11.5 御法川国土交通副大臣への要望
    〈県内各団体トップによる合同要望〉
  • H31.1.22 日経地方創生フォーラムへの参加
    〈県内各地域の代表者によるパネルディスカッション〉
問9機運醸成の取組みはどのようなものか

県民の皆様一人ひとりに奥羽・羽越新幹線の意義や必要性を理解していただくため、理解促進・機運醸成の様々な取組みを進めています。

〈主な取組み〉

  • ○機運醸成に向けては、奥羽・羽越新幹線について県民の皆様に幅広くご理解いただくため、以下の取組みを実施
    ・新聞やラジオ、ホームページなど、各種媒体を活用した広報活動
    ・各地域におけるイベント等における「広報・啓発キャラバン」の実施
    ・鉄道沿線における看板設置など

⇒広報・啓発キャラバンでは、新幹線に期待する様々なメッセージをたくさんいただいております。

《県民の皆様の声(例)》

・子供たちが大きくなるまでに早く実現してほしい
・新幹線ができれば観光産業も潤い、企業誘致もやりやすくなる
・自分たちの子供や将来のためにも必要
・雨や雪でも運休にならず、スムーズな運行を期待

〇新幹線の意義や必要性、その効果などを理解いただくための、商工団体や地域の団体の皆様を対象にした「出前講座」を開催
〇本県の将来を担う若い世代の運動への参画を促すため、県内各地域において「地域ミーティング」を開催

〈県の取組みと連動した運動展開〉

こうした取組みに合わせて、県内の青年会議所では、奥羽・羽越新幹線など東北のインフラ整備に向けた署名活動も展開されるなど、県内各団体においても、フル規格新幹線の整備に向けた取組みも広がってきています。

〈今後に向けて〉

フル規格新幹線やトンネル整備の意義や必要性について、県民の皆様に、より理解いただくため、シンポジウムや経済界等を対象とした出前講座・意見交換を実施していきます。

とりわけ、将来を担う若い世代の一層の理解を深めていくため、若者に馴染むSNSなども活用した情報発信を行うとともに、若者自ら、普及のための活動を企画し、実践していただく取組みも進めていきます。

  • 各種イベント等における『広報・啓発キャラバン』の開催
  • 地域内の経済団体等を対象とした『出前講座』の実施
  • 青年会議所における『署名活動』
  • 大学生など若者等の参加による「地域ミーティング』の開催

◎フル規格新幹線に関する『出前講座』〜職員がお伺いします!〜

小規模な集まりでも構いませんので、ご希望があれば下記までお電話ください。皆様からのご連絡をお待ちしています!
【連絡先】電話番号:023-630-3417(県庁総合交通政策課鉄道・生活交通担当)

フル規格の奥羽・羽越新幹線の早期実現に向けて、県民の皆様からも運動にご参画いただいて、一緒に取組みを進めてまいります!

各種イベント等を通してお寄せいただいた県民の皆様の声など

問10県は在来線の高速化にも力を入れるべきではないか。

在来線(現行の県内鉄道)につきましても、高齢の方や学生など地域の方々の日常の足として欠くことのできない重要な交通機関です。

絶えず、防災対策などを講じることで安全性・安定性を確保・向上していくとともに、ダイヤの改善やスピードアップなどの機能強化を図っていくことが非常に重要です。

このため、県では、各地域の実情や要望等をしっかり踏まえ、市町村や経済団体などの関係機関と連携し、鉄道事業者への働きかけなどの取組みを進めております。

こうした取組みの主なものとして、最近では、在来線の高速化に関し平成18年までに県等で行ってきた調査結果に基づいて、羽越本線高速化に向けた取組みを進めており、これまで、特急いなほ号の新型車両の導入(H25〜H26)や、新潟駅において上越新幹線とすべての羽越本線いなほ号との同一ホームでの乗換えが実現(H31.3〜)するなど、利便性向上や所要時間の短縮が図られてきております。

今後とも、在来線の一層の充実に向けて、関係機関と連携してしっかりと取組みを進めてまいります。

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